また一年

また一年_f0166114_1603510.jpg昨日の朝のことだが、ダイニングテーブルの上に金色の小さな封筒が置いてあるのが目に止まった。春休みで帰省中の娘が夜のうちにそっと置いてくれたらしい。ピンクの素敵なカードには私の好きな黒猫のイラスト。そしてカードの裏には娘の手書きによる可愛らしい動物たちのイラストが・・・ 年々、嬉しくも誇らしくもなくなるこの日だが、メッセージにはやはり心を温めてくれるパワーがある。何人かのお友達からもお祝いのメールをいただいた。震災以降、重い気持ちを抱えているけれど、日本の歴史は復興の歴史でもある、という話をどこかで聞いたことを思い出した。原爆や空襲、そして度重なる地震や台風の被害から何度も立ち上がってきた。自分は何の力もないけれど、復興する力を信じ、微力ながらがんばりたいと思う。また、今回、世界中から多くの支援や協力の手が差し出されていることも心強い。物資による援助だけでなく、イスラエルからは医療チームが被災地入りをし、原発事故の沈静化に向けてもアメリカやフランスから沢山の力や専門的な援助を受けている。はやく収束に向かうことを願っている。
# by bake-cat | 2011-03-31 17:01 | ひとりごと

最近

19日の夜、玄関の扉をそっと開けて空を見上げると、大きな満月が浮かんでいた。19年で一番地球に月が接近するスーパームーン。優しく穏やかな光が、多くの傷ついている人を励ましてくれているのだろうか。

このところニュースにくぎ付けで、気分が冴えない。平和ボケしていた日本がいきなり平手打ちをされたような、そんな状況だ。私が住んでいる地域は地震の被害は受けてないが、胸が苦しいってこういうことなのかな。同じ気持ちの人は全国に、いや世界中にたくさんいると思う。支援物資は沢山運ばれているようだが、被災地が広範囲であることや燃料不足から、隅々にまで行き渡っているとはいえない状況らしい。厳しい現実と同時に、人間として、そして日本人としての生き方も問われている。過酷な状況で苦しんでいる人たちがいる中で、ほうれんそうのことで一喜一憂したくない、という思いもある。特に安全性に問題がないとしながら出荷停止にするのは矛盾した対応ではないだろうか。本当に危険なことと、それほど問題にならないことをごちゃ混ぜで考えるのは避けたい。でもそのためには、根拠となる知識や教養、そして何よりも人間力が必要だということも分かってきた。

被災地から遠く離れた場所でも、母国に帰る外国人がいるらしい。今後、日本から輸出した食材などが売れなくなる事態は想定されるし、日本に来ることを拒否するパイロットの記事も読んだ。でも、日本人はここから離れることは出来ない。プレートが沈み込んだ所に日本という小国は存在し、天然資源も乏しく、原発による発電に頼って生きているのが現状だ。

幸い西日本は落ち着いていて、元気もある。ガソリンは高騰したが、今のところ混乱はない。ここではいつも通りの生活を続けることが大切だという気がしてきた。過度な自粛は経済生活を落ち込ませる可能性があるし、当たり前のこと、出来ることを進めることが復興に繋がる、と思いたい。
# by bake-cat | 2011-03-22 16:06 | 思考の散策

3月11日

3月11日の午後、翌日に本番に控えて自宅で練習していたところに職場の夫から電話。「地震があったの知ってる?東京は5強らしい。○○(娘)の携帯も通じない」とのこと。慌ててテレビをつけると川に自動車が沢山浮かんでいる映像が目に飛び込んできた。一瞬どこで何が起こっているのか理解が出来なかったが、初めて三陸沖を震源とした大地震が起こったことが分かった。テレビでは津波警報を鳴らし「高台へ逃げて下さい」と繰り返している。

都心に住んでいる娘とは夕方携帯が通じ、怪我もなく無事でいることが確認できた。関東にいる友人達とも連絡がとれたが、一人は自宅が落ちてきた物で足の踏み場がなく、車で一夜を過ごしている、不安で眠れませんとメールが来た。そして、その後テレビで見た被災地の光景にはあまりのショックで言葉が出なかった。津波で流された町は空爆を受けた戦地のようにも見え、ビルの上に乗り上げた自動車や自動車に覆いかぶさった船など、その惨状はこの世のものとは思えない。私達が住んでいる地球は美しく強く逞しい存在だが、一方で地球自身の生理的現象に人間はなす術はない。全く無力だ、そんなことを思った。

翌日の本番は私にとっては祈りの演奏会となり、サッカーの集まりでは全員で黙とうを捧げた。その夜になって、仙台や福島の友人が無事でいることがようやく確認できた。

毎日、日本のテレビと自宅で受信できるBBC放送のニュースを見ながら、経過を見守っている。悲しい現実に涙が出ることもある。地震、津波、そして福島原発問題という正にmultiple disaster 。これでもかこれでもかと問題が山積し、避難所への物資の輸送もままならない状態だ。釜石港に物資を積んだ船が到着したが、それを運ぶトラックがなくて陸揚げ出来なかったことや、かなり近くまで物資は届いているが、やはりそれを仕分けする人や運ぶためのガソリンが足りなくて被災者のもとへ届けられない、といった話を聞いた。また不安に駆られて関東では食料の買い占めが起こり、ますます食料やガソリンが不足しているという。東北地方の製油所が被災したために一時的にガソリンが減っているが、実際のところトータルには問題ないらしい。一方、停電に備えての乾電池類の買い占めの波は関西にまで来ているという情報もある。今のところ、私が住んでいるところは問題ないけれど、根拠のない不安から全国で買い占めが起きないよう、冷静にならなくてはいけない。そして厳しい現実であっても、政府は正しい情報を上げて、その根拠を示してほしい。それを受け止める力は今の日本人にはあるとも思う。パニックになる時は正確な情報がなくて、情報が錯綜する時。現におかしな風評やチェーンメールが出回っている。

福島第一原発も、充分に地震対策は取ってきたものの、今回の津波は予想外だったらしい。20キロ圏内に避難勧告を出しているが、アメリカでは80キ圏内、とここでは温度差がかなりある。また避難勧告を命じても、未だに逃げることが出来ない高齢者の施設がある。車椅子のお年寄りを搬送する車もガソリンもなく、食料も底をついてきているらしい。何とかこういう人たちを早く助けられないものだろうか。

時として自然災害に人間は無力だが、その後の混乱が人災を生まないように、冷静な判断や知恵の結集が求められているように感じる。

被災者の方々に一刻も早く物資が届き、支援の手が延びますように。
# by bake-cat | 2011-03-17 15:37 | ひとりごと

定番

夫が不在の時の手抜き料理の定番は何故か「納豆チャーハン」と決まっている。以前ある店で初めて食べた納豆チャーハンがとても美味しくて、何とか真似ようとしている間に定番メニューとなった一品だ。試行錯誤した割には、とても簡単。

「今日はパパ、いないよ」と子供に声をかけると、「じゃ・・・納豆チャーハンだね」とお決まりの台詞。
材料は納豆、白ネギ、ベーコン。しっかり炒めて、ご飯を投入。味付けは塩とナンプラーで。コツは先に納豆をしっかり炒めてからご飯を入れること。今日はこれにトマトと卵のスープを付けて、子供と2人の簡単な夕食となった。

中学の給食に納豆のフライのようなものが出たらしい。納豆は子ども達に人気のメニューらしいが、そのフライは苦くてイマイチだったとか・・・「やっちゃったパターンだね」と息子。給食も新しいメニュー作りで試行錯誤しているのだろう。
# by bake-cat | 2011-03-03 22:46 | ちょっとしたこと

子育て

2月は子供たちの誕生月。
娘が20歳に、そして先日息子が13歳になった。娘は着物も成人式もない門出となったが、父親に記念になる品を買ってもらい、大切に使っているようだ。息子はまだ小柄だけれど、それでも少しずつ背が伸びていくことが嬉しいらしい。サッカーのハードな練習にもどうにかついていけるようになってきた。誕生日に買ってもらった新しいサッカーシューズが嬉しくて嬉しくて、撫でたり、抱きしめたりを繰り返し、シューズの特徴や魅力を説明してくれる。そして練習で使った後は、丁寧にケアをしているようだ。

ふと気付くと子供たちは大きくなり、スーパーで幼児を連れた若いお母さん方を見ると、大変そうだな、私にもあんな時期があったな、と昔を振り返ったりする。いつも自分にまとわりついていた幼い娘は大人になり、抱っこもままならない程太っていた息子はサッカーで汗を流すようになった。子育ては「いつになったら」と「いつの間に」の繰り返しだと聞いたことがあるけれど、本当にその通りだと思う。とは言え、子育て終了には程遠く、娘はまだ学生だし、息子はこれから大人の階段を登っていく大切な時期に差し掛かっている。でも・・・・ 何事にも戦略を立てることが苦手な私は、自然体とは聞こえが良いが、この先もゆるいペースでダラダラと自分流の子育てを続けていくのだろう。もっと先になれば、そんな日々も懐かしく思えるようになるのかもしれない。
# by bake-cat | 2011-02-26 23:16 | 近況

ばけねこです. 美しい自然に囲まれた小さな町で細々と音楽活動をしています


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