再会はすき焼き

12月も半分が過ぎたというのに雪も降らず、晴れた日が続く。
久しぶりに友人夫婦を招いてすき焼きパーティーをした。夫が気合を入れて選んだお肉を大皿に盛り、お口直しに炒ったかぼちゃの種(本当はひまわりの種が良いらしい)の入った人参サラダに春巻きを用意した。
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私達は人を招いて賑やかに食べたりお酒を飲んだりすることが本当に好きで、もしかしたら200回くらい自宅でディナーパーティーをしたかもしれない。お金のない20代の頃の方が頻繁に人を招待していた。次は誰を呼ぼうか、と計画することが楽しくて仕方のない時期もあった。本当にどうやってやりくりしていたのだろう。でもここ数年はお互いが忙しく、また子供たちも成長し、なかなか皆の足並みが揃わなくなってきた。ホームパーティーが減れば当然人との会話も減り、自分の生活圏内だけで暮らすことになる。精神的に新陳代謝が悪くなることは否めない。

今日のゲストはアメリカから来ている御夫妻である。夫の仕事上の良きアドバイザーであり、私達にとっては兄貴、姉貴のような存在ともいえる。いつもは音楽の話なども交えて、色々な話が飛び交うのだが、この日はここ最近、職場で孤軍奮闘している夫の話になった。夫の悩みに対して、ゲストのご主人が「日本の社会では・・・・」「日本人というのは・・・・」「日本人の傾向として・・・」といった具体的なアドバイスを下さる。的を得た内容に成る程、と頷きながら、何か変・・・・ 彼はノルウェー系のアメリカ人である。頻繁に来日しているので、日本の事情に詳しいとはいえ、日本に住む日本人の私達が指導を受けている。ご主人は「あなたの方がより日本的よ」と奥さんに言われ、皆で大笑いした。

時折思うのだが、私達は古い日本人なのかもしれない。(明治生まれ、という訳ではない!) 自分の中にある「ここは譲れない」といった感情に縛られているうちに、時代や社会だけがどんどん前滑りをしていて、自分から乖離しているように感じるのは気のせいだろうか。心の片隅で本当は分っていながら認めたくないこと、というのもある。そんな時に、離れた立場からの客観的な意見に触れ、自分の中で少し何かが動き出すこともある。人との出会いはかけがえのない宝物であることを実感するのはこういう時。

話が尽きず、真夜中になってしまった。外は流石に寒かったが、心の中には温かい物に触れたようなぬくぬくした感じがいつまでも残った。
by bake-cat | 2008-12-17 00:21 | 発見

ばけねこです. 美しい自然に囲まれた小さな町で細々と音楽活動をしています


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