地球外から

娘の通う高校の文化祭が近づいてきた。
デザインを手掛けたポスターは美しく印刷され、300枚が周辺地域に貼られるらしい。
彼女は執行部なので連日準備に追われている。
帰宅するのはいつも9時前。
外灯が少ない場所なので、心配が絶えない。

ポスター、Tシャツの次はうちわのデザインをしているとのこと。
それ以外にも、開会式の準備から打ち上げ花火の予約、そして先日は全校生徒に壇上からフォークダンスの指導をしたらしい。
「右っ、左っ、右っ、そこで回って、はい右、あ~左・・・・」となかなか恥ずかしかったとか。
その上、演劇にも「盗賊3」の役で出る。
そして引退したサッカー部員の女装ダンスの指導まで。
自宅ではアザラシのようにゴローンとして全く動かない彼女だが、外ではとてもよく働く。
不思議だ。
親の言うことはほとんど聞かない子だった。
右といえば左、東といえば西、といった具合に一筋縄ではいかない性格に夫と私はどれだけ手を焼いたことか。
今の働く姿は家での「アザラシ姿」からは想像が出来ない。

そして今日は個人懇談の日。
今年の娘の担任は物理の教師。
彼女の言葉を借りると「大変嫌味な男」らしい。
一度会ったことがあるが、統計に基づく点数の話しかしてなかったなあ。
確かに「人間らしい皮膚感覚」は感じられなかった。
サイボーグか!
色々考えた末、今回は夫に行かせることにした。
これは大変危険な賭けである。
「高校時代の点数で人生の全てが決まるような断定的な言い方をされたら、反撃を食らわす」と豪語している。
懇談に殴り込みをかける親は少ない。
その上、あの怖い外見である。
サングラスをして行ったのだろうか。
シャツが黒だったらもっとコワイ・・・・・
校内を歩く姿はさぞかし「未知との遭遇」だったことだろう。

あとで電話で様子を聞いたところ、けっこう「穏やかに」対応したらしい。
しかしこれはあくまで本人の感想である。
娘の感想を聞かねば。
いつもの早口で捲くし立てた可能性もある。
刺すような鋭い視線で先生を睨みつけた可能性だってある。
どう考えてもあの担任は夫の嫌いなタイプなのだから。

しかしこうやって場外から楽しんで想像している私も悪趣味である。
by bake-cat | 2008-06-26 20:02 | どうでもいい話

ばけねこです. 美しい自然に囲まれた小さな町で細々と音楽活動をしています


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