無礼講

台風が近づいている。今回の台風は日本がすっぽり圏内に収まるらしく、明日は学校が休校になる可能性も出てきた。時折雨が降ったり、風が吹いたりするが、厚い雲に覆われた空は静かにその時を待っているようで、どことなく不気味な静けさが漂っている。それにしても、毎年台風の被害に合う沖縄や鹿児島の人たちは本当に大変だ、とニュースを見ながら思った。

土曜日の夜に息子の同級生のお母さん2人と飲み会をした。所謂、「ママ友」という存在。個人的に「ママ友」と約束して飲むのは初めての経験かもしれない。何しろ近くには友達があまりいない私である。誘ってくれる人がいるのが無性に嬉しいのだ。外に出かけるとタクシーとか予約とか面倒くさいので、この日は私の自宅でささやかな飲み会となった。夜の7時半から始めてお開きになったのは夜中の2時。2人が帰った後、部屋には500mlのビール缶が12本と、350mlの缶が6本転がっていた。

それにしても楽しいひと時だった。気が付けば全員、県外の出身。国内とは言え、習慣や文化の違う小さな町で子育てや仕事を続けることのストレスは皆が感じるところだろう。周りとの交流を好まない土地柄ゆえ、人々は真面目に頑なにその伝統や自分たち手法を守って来たようなところがある。大胆な提案や、大きな表現は拒まれ、時には誤解を生む原因にもなるのだ。そして目に見えない落とし穴にはまってしまった後の後遺症はきつい。だから、知らず知らずのうちに周りの顔色を見ながら、小さく萎縮してしまうこともある。この日のママ友達も、そんな中でぶつかりながら、模索しながら生きてきたようだ。言葉で遊び、羽目を外すことの楽しさを知り、笑うことで弾き飛ばすことは大きな力にもなる。飲み干したビール缶を片づけながら、そんなことを考えた。
by bake-cat | 2009-10-07 18:13 | 一休み

ばけねこです. 美しい自然に囲まれた小さな町で細々と音楽活動をしています


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