612の瞳

f0166114_21542358.jpg息子が通う小学校で30分の短いコンサートをした。
この学校では年に3回ほど演奏者を招いてコンサートを開いているらしい。前回は和楽器、そして次回はゴスペルだという。その他にも表現と題した朗読の会を計画中らしい。「音」を介した表現を子供達に経験してほしい、とやや口の重い校長先生が真面目な顔でおっしゃっておられた。
今日はサクソフォン奏者のR君と短いおしゃべりを交えながら演奏した。
大きな体育館に小さなピアノ・・・・音響の面ではかなりきついが、それでも306人の真剣な表情の子供達に囲まれ、普段とは違った使命感と喜びを感じた。
3拍子の「おぼろ月夜」に4拍子の「春の小川」を重ね合わせて演奏したり、やや前衛的なサックスのソロや、スペインの作品など。子供達の耳にはどう響いたかは分からないが、音楽に興味をもつひとつのきっかけになってくれたら嬉しい。

それにしても、昼間の短いコンサートは本当に疲れる。
R君と隣町のカフェに入り、コーヒーとケーキで雑談しながらの打ち上げ。
ここは蔵のような古民家風の店で、静かなジャズの流れと美味しいコーヒーが堪能出来る。
カフェ文化が根付いていないこの町では、こういう店に入ることすら特別なイベントになってしまうのだが、ちょっとした非日常的な時間と空間を楽しんだ午後であった。
by bake-cat | 2008-09-29 22:33 | Music

一期一会

朝晩はかなり涼しくなってきたが、日中は湿度も気温もけっこう上がるので、まだ半袖で過ごしている。楽器を置いてある部屋は未だにクーラーや除湿機が手放せない。そう言いつつも、周りを見渡すとだんだん秋色に染まっていくのが感じられる。紅葉の季節にはまだ1ヶ月以上あるが、職業柄、毎年秋は何かと忙しく、季節の大きな移り変わりを堪能することなく過ぎていくことが多い。今年こそ、この秋は家族で近場で登山しようと考えているのだが、実現するのだろうか。

夫は今、アメリカに出張している。明日は火山に登るらしい。
子ども達が幼い時は、夫が長期にわたって不在の時などは、全てを自分一人で背負うことになり、大変だった記憶がある。保育園が休みの日は仕事も出来ず、あれこれ日程調整をしてジタバタしたものである。ところが子供たちはどんどん成長し、今では頼もしい存在になりつつある。育てているつもりが、ふと自分が彼らに頼っていることに気付くことがあり、はっと我に帰る。身体の成長だけでなく、人間として人格を形成していく過程は厳しい道のりであるが、それでも感動を覚えずにはいられない。どんどん成長して、そのうち追い越されていくのだろう。とは言え、息子は毎日のように「パパがいなくて寂しいね」と呟いているが・・・・

来週は小学校の音楽集会に招待されているので、共演者のサクソフォーン奏者、R君とリハーサルをした。たった30分の短いコンサートであるが、なんとか子ども達にお腹一杯、音楽を楽しんでもらいたい。時間いっぱいに盛り沢山のプログラムを考えている。サクソフォーンの仲間達とは毎年、定期演奏会をしているが、それ以外にも保育園や病院でも時折、出前コンサートをしている。保育園のコンサートでは童謡やディズニーは欠かせない。それでもその中にクラシックの名曲を盛り込み、骨のある構成にしようと心掛けている。今回は小学生なので、更にしっかりしたプログラムが組めそうで楽しみである。子供にはいわゆる子供向けの曲を、という考えが嫌いである。小学校は年齢が6歳から12歳と幅があり、深く音楽に興味がある子から、全く関心のない子まで様々であろう。中にはコンサートに足を運んだことのない子供たちもいるかもしれない。だからこそこの一期一会を大切にしたいものである。
by bake-cat | 2008-09-24 23:45 | Music

飯ごう炊爨

夫はアメリカへ出かけ、気のせいか家の中が静かになっている。
時折、娘が弟の身体にしがみつき、「お姉ちゃんがそんなに好きなの?」と迫っている。機嫌が悪いときは弟に当たり散らす。その上、足が遅いだの、背が低いだの、食事のマナーが悪いだの、と文句を並べながら、気が向くと「可愛いっ」と叫んで頬擦りしている。一人っ子の私には分からない世界だが、兄弟はこうして子犬のようにじゃれ合いながら成長していくのだろう。

昨日は、息子の学校の親子活動の日であった。私は今年はクラス役員のなので今週はその準備におおわらわであった。校庭に釜を作り、火を熾して子供たちが「飯ごう」でご飯を炊く。そして別の子供たちが調理室でカレーを準備するのである。身体と手を目一杯使う作業というのは、人を生き生きさせることを実感した。作業する子供たちも、指導しながら見守る親達も楽しそうであった。
60人近い人を集めての催しなので、時間と空間のシュミュレーションを何度もしたが、実際動くときには大雑把な性格が出てしまう。同時に「宴会」性格がムクムクを湧き上がり、「誰一人退屈させない」という使命感で一杯になる。自宅でのパーティーでも、こういった行事でも、「退屈させない(させたくない)」が私のモットーらしい。

息子が通う学校は地方のごく一般的な公立の小学校である。家庭環境は様々で、当然色々な問題が起こる。息子もいじめられて学校に行けなくなった時期もあったが、乗り越えながら成長してきたたくましさは感じられる。話したことのない保護者や名前さえ知らない保護者もいるが、肩を寄せ合ってカレーを食べることが一つのコミュニケーションになれば嬉しい。複雑で煩雑な世の中なので、こういう単純なことが案外大切なのかもしれない。手と身体を使って作業をして、結果を大勢で分かち合う。そこに理屈はいらない。ほんのちょっとした軽い触れ合いが心の支えになることもあるのである。


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(本文とは関係ないですが) 先日訪れた松江城から見た市街地

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「パパがいなくて寂しい」と言っている息子
by bake-cat | 2008-09-21 23:48 | 一休み

地球外から

娘の通う高校の文化祭が近づいてきた。
デザインを手掛けたポスターは美しく印刷され、300枚が周辺地域に貼られるらしい。
彼女は執行部なので連日準備に追われている。
帰宅するのはいつも9時前。
外灯が少ない場所なので、心配が絶えない。

ポスター、Tシャツの次はうちわのデザインをしているとのこと。
それ以外にも、開会式の準備から打ち上げ花火の予約、そして先日は全校生徒に壇上からフォークダンスの指導をしたらしい。
「右っ、左っ、右っ、そこで回って、はい右、あ~左・・・・」となかなか恥ずかしかったとか。
その上、演劇にも「盗賊3」の役で出る。
そして引退したサッカー部員の女装ダンスの指導まで。
自宅ではアザラシのようにゴローンとして全く動かない彼女だが、外ではとてもよく働く。
不思議だ。
親の言うことはほとんど聞かない子だった。
右といえば左、東といえば西、といった具合に一筋縄ではいかない性格に夫と私はどれだけ手を焼いたことか。
今の働く姿は家での「アザラシ姿」からは想像が出来ない。

そして今日は個人懇談の日。
今年の娘の担任は物理の教師。
彼女の言葉を借りると「大変嫌味な男」らしい。
一度会ったことがあるが、統計に基づく点数の話しかしてなかったなあ。
確かに「人間らしい皮膚感覚」は感じられなかった。
サイボーグか!
色々考えた末、今回は夫に行かせることにした。
これは大変危険な賭けである。
「高校時代の点数で人生の全てが決まるような断定的な言い方をされたら、反撃を食らわす」と豪語している。
懇談に殴り込みをかける親は少ない。
その上、あの怖い外見である。
サングラスをして行ったのだろうか。
シャツが黒だったらもっとコワイ・・・・・
校内を歩く姿はさぞかし「未知との遭遇」だったことだろう。

あとで電話で様子を聞いたところ、けっこう「穏やかに」対応したらしい。
しかしこれはあくまで本人の感想である。
娘の感想を聞かねば。
いつもの早口で捲くし立てた可能性もある。
刺すような鋭い視線で先生を睨みつけた可能性だってある。
どう考えてもあの担任は夫の嫌いなタイプなのだから。

しかしこうやって場外から楽しんで想像している私も悪趣味である。
by bake-cat | 2008-06-26 20:02 | どうでもいい話

宴もたけなわ・・・・

時差のためサッカーのユーロ08は見れないのだが、朝起きるなり息子が「応援してたポルトガルが姿を消したよ」と溜息をついている。彼のアイドル「クリスティア-ノ・ロナウド」が欠場。他の主力選手も出ていなかったので「仕方ないけど」とポツリ。その代わりスペインを応援するのだという。

土曜日は授業参観と綱引き大会で大いに盛り上がった。土曜日ということもあり父親の姿も多い。5年生の息子のクラスは41人の大所帯だが、若い男の先生が切り盛りしている。
参観授業は算数だった。背が低い息子はいつまでも幼く見えるが、女の子の数人はすでに大人びた雰囲気をかもし出している。思春期のちょっと手前。少しずつ難しい年頃に近づいていくのだが、どうなんだろうか。息子を見ると、いつものようにちょっと猫背で少し緊張気味。授業を聞いているような、聞いていないようなとぼけた顔をしている。しかし本当によく日焼けしているなあ。

懇談と綱引き大会の後は懇親会。保護者と先生方の和やかな会。息子のクラスは父親の参加が多かったが、これが案外楽しい。お酒が入らなかったら絶対につまらない会になっただろうが、お酒が程よい潤滑剤になって人と人の距離を縮めてくれる。近所に長年住みながらほとんど会話をしたことのない父親達と結構盛り上がった。ビールの消費量がどんどん増える。担任の先生はアルコールを飲まないのに、しっかり盛り上がった私が「子供の成長はホルモンの成長」だの「薄っぺらい平等主義は止めて、クラス役員は能力重視で決めましょう。」などと豪語してしまう。
その後、お父さん方4人を強引に自宅に連れて帰り、酒を買い足し、奥さん方も呼んで我家で2次会。夫があたふたとグラスや氷の準備をしている。
くだらない話、ちょっぴり真面目な話・・・・またまた大いに盛り上がる。
こういう大人の時間が欲しいではないか。おいしい酒とおいしい会話、笑い、カラオケなどのない静かな空間。いやはや楽しいひと時であった。
 
帰り際に何度も言われた。「楽しい人だったんですね」
私は怖くてかたい人に見えるらしい。
「宴会が好きなんて意外です」(死ぬほど好き)
「いや~楽しい人だったんですね」
「でも昼間はまた怖い顔してるんでしょうね」(してねえってば)
「それにしても楽しい人だったんですね」
「いや~意外です」
「怖い人だと思ってました」
「いや~本当に・・・・・・・」

ということで、一緒にバーベキューをする約束をして宴はお開きとなった。
by bake-cat | 2008-06-23 15:24 | どうでもいい話

大人未満

娘が疲れている。

今月末まで続く部活動。
サッカー部のマネージャーとして20人以上の男の子達の面倒に明け暮れる毎日。
運動とは全く関係のない世界で育ってきたのに、自分で決めて入ったサッカー部。
自分の部屋すら満足に掃除の出来ない無精者が、部活動では信じられないほどよく働くらしい。連日男子学生に囲まれ、ますます男っぽい性格に磨きがかかる。

そして学園祭の準備。
今年は準備委員会になったらしく、Tシャツのデザインに没頭していた。
表は「鯉」で裏は「蛇」の図柄になったらしい。
こういうジャパニーズな、堅気っぽくないデザインを好む。
そして演劇の台本選びから、フォークダンスの指導、はたまた合唱の伴奏までするの、しなの、と大騒ぎ。
「自分は動かないのに文句ばかり言う同級生にはホント、腹が立つ」と怒っている。
無駄のないスムーズな流れと最高の盛り上がりをプロデュースするため、人を遠隔操作しながら事を進めようとしているらしい。

そして毎週の模擬試験と山のような課題。
高3だから当然と言えば当然なのだが、この高校では若い衆が将来進むべき道をあれこれ迷うことを許さない。理系、文系と分けたが最後、後戻りは出来ない。
16,17歳の若者が自分が何をしたいのか、自分が誰なのか、分かるはずがないだろう。
あれこれ迷って失敗して、でもやり直せる、それが若さの特権だと思うのだが。

理想論ばかりを繰り返す両親のもとで育った娘は、「現実は予想以上に厳しい」と嘆いている。
中学時代、かなりハードな思春期を経験したが、ある時「私、トンネル抜けたよ」と脱・思春期宣言をした。そしてその「トンネル」を抜け出た時、グリコの「ゴールインマーク」のように両手を高くかざしてスッキリと出てきたそうである。また同じ時期に、学校の進路指導調査の将来の夢の欄に「刺青彫師」と書いて、担任のヒンシュクを買ったことがある。グラフィックデザインには今でも興味があるようだが、「自分程度の絵が描ける人間は世の中にごまんといる。この程度でプロになれるほど人生は甘くない」とは本人の弁。なるほど。本人なりに厳しい現実と夢の中で、蛇行運転をしながら進みつつあるらしい。

中学生時代、「黄色いお弁当」をリクエストされて作ったことがある。
サフランライスに卵焼き、黄色いパプリカにイエロートマト。
最近疲れている彼女に今度は「赤いお弁当」を考え中である。
by bake-cat | 2008-05-17 09:51 | どうでもいい話

休日

日曜日・・・・・ 朝からどんより曇っている。
今日は小学校の奉仕作業の日。運動会が近いので、高学年児童と保護者でグランドの掃除と整備をしようというのだ。
朝、5時半に息子を起こす。予想通り大変不機嫌。ヨーグルトだけ口にして、夫と息子は学校へ向かった。
2時間後、早朝とはうって変わって上機嫌になった息子が、掃除を終えて夫と帰宅。
「まだ働き方が甘い」と文句を言う夫に、「草を120本抜いた」と自慢する息子。 えっ、数えながら草取りしたの・・・?
夫はいつものごとく「人間観察」をしながらの作業だったらしい。
黙々と働く人(自分のことらしい)、要領だけ良い人、すぐ人としゃべって働かない人等々・・・・
ちなみに校長先生は「すぐ人としゃべって働かない人」だったとか。
一方、息子に言わせると「パパはスキンヘッドだし、目が鋭くて怖い人に見えた。僕、恥ずかしかったよ、人の前ではもっと優しい顔してよ」とのこと。
ああ、想像つくなあ・・・・ スキンヘッドに細縁の眼鏡、全くしゃべらずに黙々と作業しながら時々周りをスルドイ目で観察・・・・(ああ、コワい)

ある委員会からの宿題は明日が提出日。やっと重い腰を上げて、パソコンの前に向かう。
地域文化振興のために企画するイベントの数々。すでに出来上がって認知されたものを舞台に上げるのではなく、あくまでオリジナルな企画、そして地域に根ざした文化を再認識しようというものらしい。こういうのは本当に難しい。「県民みんなに参加の機会を」と謳うと恐ろしいほど質が低下する危険性がある。また、優秀な人材は大都市や海外に流れてしまい、仕事の少ない地方に留まるのは難しい、という現実がある。でも地方が疲弊しているからこそ、何かを立ち上げて自分達のアイデンティティーを確立したい、という思いはもっともである。ただ、あまりに「地方に根付いた」とか、「地方独自の」といった考えにこだわり過ぎると、それ自体が何かの新興宗教のような形になってしまい、風通しが悪くなる。頭の中はいつも堂々巡り・・・たった1枚の意見書に3時間もかかってしまった。

夕方からは日が差し始め、暖かくなってきた。
図書館で勉強していた(らしい)娘は帰るなり、お昼寝。制服を部屋着に着替えてベッドに直行。昼寝をすると夜中まで集中して勉強がはかどるらしい。一応受験生。

今日は久しぶりにゴーヤチャンプルでも作ろう。
ビールも飲みたいな。(あ・・・昨夜も飲み会だった)
by bake-cat | 2008-05-11 19:18 | どうでもいい話