一期一会

朝晩はかなり涼しくなってきたが、日中は湿度も気温もけっこう上がるので、まだ半袖で過ごしている。楽器を置いてある部屋は未だにクーラーや除湿機が手放せない。そう言いつつも、周りを見渡すとだんだん秋色に染まっていくのが感じられる。紅葉の季節にはまだ1ヶ月以上あるが、職業柄、毎年秋は何かと忙しく、季節の大きな移り変わりを堪能することなく過ぎていくことが多い。今年こそ、この秋は家族で近場で登山しようと考えているのだが、実現するのだろうか。

夫は今、アメリカに出張している。明日は火山に登るらしい。
子ども達が幼い時は、夫が長期にわたって不在の時などは、全てを自分一人で背負うことになり、大変だった記憶がある。保育園が休みの日は仕事も出来ず、あれこれ日程調整をしてジタバタしたものである。ところが子供たちはどんどん成長し、今では頼もしい存在になりつつある。育てているつもりが、ふと自分が彼らに頼っていることに気付くことがあり、はっと我に帰る。身体の成長だけでなく、人間として人格を形成していく過程は厳しい道のりであるが、それでも感動を覚えずにはいられない。どんどん成長して、そのうち追い越されていくのだろう。とは言え、息子は毎日のように「パパがいなくて寂しいね」と呟いているが・・・・

来週は小学校の音楽集会に招待されているので、共演者のサクソフォーン奏者、R君とリハーサルをした。たった30分の短いコンサートであるが、なんとか子ども達にお腹一杯、音楽を楽しんでもらいたい。時間いっぱいに盛り沢山のプログラムを考えている。サクソフォーンの仲間達とは毎年、定期演奏会をしているが、それ以外にも保育園や病院でも時折、出前コンサートをしている。保育園のコンサートでは童謡やディズニーは欠かせない。それでもその中にクラシックの名曲を盛り込み、骨のある構成にしようと心掛けている。今回は小学生なので、更にしっかりしたプログラムが組めそうで楽しみである。子供にはいわゆる子供向けの曲を、という考えが嫌いである。小学校は年齢が6歳から12歳と幅があり、深く音楽に興味がある子から、全く関心のない子まで様々であろう。中にはコンサートに足を運んだことのない子供たちもいるかもしれない。だからこそこの一期一会を大切にしたいものである。
by bake-cat | 2008-09-24 23:45 | Music

ばけねこです. 美しい自然に囲まれた小さな町で細々と音楽活動をしています


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