予定変更

今日は60キロ先に住んでいる友人と会食のはずだった。
お互い仕事のスケジュールを調整し、家のことを段取りし、思い切り羽を伸ばして楽しい時間を過ごすはずだった。はずだった・・・・のに、前日になって夫には出張の予定が入り、息子は体調不良。いつもこうなのだ。何か楽しいことを予定すると、誰かが邪魔をするかのように何かが起こる。子供たちがもっと小さい頃は、私の仕事が忙しい時とか、本番前のリハーサルが入っている時に限って熱を出したりした。最近はさすがに私の仕事には理解を示すようになったが、楽しむことは許されない雰囲気がある。ママはいつも家にいなければいけない。ところがママはお出かけが大好きときた。困ったものだ。
私が今日の予定をキャンセルして家にいると分かると、息子が元気になってまとわりついてくる。「あれえ、元気になったね」と声をかけるとコホンと空咳。怪しい・・・・

私と同じ世代の女性はみな忙しい。仕事に対しての責任も重くなるし、子供のこと、家族のこと、様々な雑用で頭の中は常に複数のことが同時進行している。身体が弱くなった親の面倒を見ている人もいる。ありとあらゆる責任と任務がどっしりと覆いかぶさってくる。みんな、どうやって息抜きをしているのだろう。ふと亡き母が忙しく家の中を切り盛りしていた頃を思い出したりする。毎朝、当たり前のように母お手製のお弁当を鞄に入れて高校へ通っていたが、果たして「ありがとう」と言ったのだろうか。記憶にすらない。「何を考えているのか分からない」風体の私を育てるのは厄介だったろう。歴史は繰り返されて今は私がその役目を担っている。

午後と夜の予定がキャンセルされてぽっかり空いた時間。
アマゾンで買ったゲーテの「イタリア紀行」の古本が届いた。これを読んで過ごそうか。それともこの際だから、溜まった家事を終わらせようか、などと考えながら、そのうち一人で日帰りで東京に飛んで人込みの中を歩こうかとか、いやいや奈良の法隆寺金堂展を見に行こう、などと妄想が膨らむ。きっと予定を立てても、また誰かの体調が悪いだの、夫の出張だの、子供の行事だので実現しないかもしれないが。妄想を膨らませつつ、結局、2階の掃除をした。服をクリーニング屋に持って行き、義母に送るプレゼントを梱包しよう。レッスン室に散乱している書類を整理して、それから夕食の準備か。生徒が来ない日は家の中がゆったりしているのがせめてもの救いだ。ぽっかり空いた時間はすぐに埋まってしまいそうだ。
by bake-cat | 2008-06-25 16:37 | ひとりごと

ばけねこです. 美しい自然に囲まれた小さな町で細々と音楽活動をしています


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