春を食する




自宅の前に豊かに咲き誇っていた八重桜が終わろうとしている。
毎年4月の下旬から10日間、ピアノの部屋の窓からその満開のふくよかな花びらを楽しむことが出来る。そういえば、八重桜の花びらは塩漬けにすると美味しい、と知人から聞いていたのに、今年も収穫することなく終わってしまった。
そして今はつつじの季節。町のあちこちで、紅色やピンクに混ざって時折白いつつじも顔を覗かせている。

旬のものを楽しみたいと常々思っている。
今年は初めて「あぶら芽」という山菜を食べた。知人からタラの芽より美味しいと聞いていたが、口にしたのは始めてだった。地元の人達は「あぶら芽」と呼んでいるが、正確には「こしあぶら」と言うらしい。店には売っていない、と聞くとますます気になる。自分の山を持っている人からお裾分けしてもらうのだと言う。確かにスーパーで見かけたことはないのだが、偶然にも「自分の山を持っている人」が出荷したあぶら芽を農協で見つけることが出来た。
天ぷらにすると、かすかな苦味が口に広がるものの、後味はさっぱりしていて、癖になる味である。なかなか美味しい。ビールにもよく合う。
大人の味だと思うのだが、10歳の息子もバクバク口に運ぶ。

そして昨夜は「たけのこご飯」と「焼きたけのこ」を作った。
食感がたまらなくいい。柔らかいご飯の中でも独特の食感を残しながら、程よく周りと調和している。
毎年、春には必ず店に並ぶ律儀な奴だ。
そして色々な料理法に対応する「マルチ」な奴でもある。
by bake-cat | 2008-05-07 22:56 | 美味しい話

ばけねこです. 美しい自然に囲まれた小さな町で細々と音楽活動をしています


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