樹木の散髪

まめに手入れをして、美しく整えられた隣家の庭を窓越しに見ながら、コンピューターに向かっている。
それに比べ、忙しいことを理由に伸び放題の我家の樹木たち。
演奏会が終わったら、今まで放り投げていた家のことをしなければ、と散らかった部屋や雑草で一杯の庭を見ながら、心の隅で冷や汗をかいていた。

今朝、頼んでおいた植木屋さんが木の選定に来てくれた。業者さんに頼むのは初めてのことで、1階の屋根を覆って道路にまではみ出しそうな桜の木や、伸び放題で不恰好になった紅葉。素人の私達では手に負えなくなってきたのだ。2時間近く丁寧に作業をしてもらった。庭に出てみると、しっかりヘアカットをされ少し照れ臭そうな桜の木や、きちんと襟足を揃えてもらいすっきりした表情の紅葉が立っていた。ボウボウだったソテツも身を細くしてすました表情でこちらを見ている。「良かったね、君たち」と思わず声をかけたくなった。

今、息子が使っている机や2段ベッド、本棚は幼稚園へ通う私の生徒が引き取ってくれることになった。そして息子は姉が使っていた部屋に引っ越す、という作業が残っている。濃いピンクのカーテンを男の子仕様に変え、寝具もジュニアから大人のサイズへ。同時に押入れやクローゼットの中も整理しなければ、うまくシフトできないだろう。怠惰な自分のお尻を叩いて、この秋は片付けに専念しなくては・・・・

政権が変わった。
多くの人が期待半分、不安半分で見守っていることだろう。
新聞の投書やテレビを見ていると、子どもが高校生以上になった世帯では小学生に対する助成の多さを嘆き、子どものいない世帯では子どもに対する助成を嘆き、車を運転しない人は高速道路の無料化を批判する。直接自分が恩恵や利益を受けない、と思われることに人は寛容ではない。それは日常の生活においても同じで、「ずるい」「不公平だ」といった発言をよく耳にする。社会は目に見えない相互援助がなければ成り立たないのだし、そのことを自分も忘れないように気をつけたい。納税者としての権利が、ある種のたかりのようなものになる危険性もある。所詮、5パーセントの消費税では全てのことに多くの保障や助成を望むことが難しいのでは、と思ったりもするこの頃である。
by bake-cat | 2009-09-18 11:22 | ひとりごと

ばけねこです. 美しい自然に囲まれた小さな町で細々と音楽活動をしています


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